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広報とは?PRとの違い・役割・仕事内容をわかりやすく解説

企業活動において「広報」という言葉はよく耳にしますが、その意味やPRとの違いを正しく理解できている人は意外と少ないかもしれません。広報は単なる情報発信にとどまらず、企業と社会をつなぐ重要な役割を担っています。一方で、PRはより広い概念として活用され、ブランドイメージの形成や信頼関係の構築に欠かせない存在です。
本記事では、「広報とは何か」をわかりやすく整理し、PRとの違いや役割、そして実際の仕事内容まで具体的に解説します。これから広報を学びたい方、企業の広報活動を強化したい担当者にとって、基礎から実務まで理解を深められる内容です。
読み進めていただくことで、広報とPRの本質を理解し、自社の発信力を高めるヒントを得ていただけるでしょう。

広報とは何か

広報の定義と基本的な役割

広報とは、企業や団体が自らの活動や理念を社会に伝え、理解や信頼を得るための活動を指します。単なる情報発信ではなく、組織と社会の橋渡し役としての役割を担う点が大きな特徴です。たとえば、新製品の発表や企業の取り組みを知らせるだけでなく、社会的課題への姿勢やブランド価値を伝えることも含まれます。

広報の基本的な役割は以下の3つに整理できます。
情報提供:正確かつタイムリーな情報を発信する
信頼関係の構築:企業と社会、メディア、顧客との関係を築く
企業イメージの形成:継続的な発信によってブランド価値を高める
このように、広報は企業活動の基盤となる重要な機能を担っています。

広報活動の目的と重要性

広報活動の最大の目的は、「企業に対する理解と共感を広げること」です。広告のように直接的な売上につながることを狙うのではなく、長期的な信頼と関係性の構築を目指します。特に重要なのは以下の観点です。

社会的信用の確立:透明性の高い情報発信は、企業の信頼性を高める
メディア対応:報道を通じて第三者の目から企業の価値を伝えられる
リスク対応:危機発生時に迅速かつ誠実な広報が企業の評判を守る

現代ではSNSやオンラインメディアを通じて情報が拡散するスピードが速まっており、広報活動の重要性はますます高まっています。広報を軽視すると、誤った情報が拡散したり、ブランドイメージの低下を招くリスクもあるのです。

デジタル時代における広報の進化

近年の広報は、従来のプレスリリースやメディア対応だけでなく、デジタルチャネルを活用した戦略的な情報発信へと進化しています。代表的な変化は次の通りです。
SNSの活用:TwitterやInstagram、TikTokなどで企業自らが発信し、ユーザーと直接つながる
オウンドメディアの運用:企業ブログやコーポレートサイトで独自の情報を発信し、SEOを通じて検索流入を獲得
データ分析の活用:アクセス解析やエンゲージメント指標をもとに、効果的な広報活動を設計

これにより、広報は「伝える」だけでなく、「共感を生み、双方向で関係を育む活動」へと進化しました。今やデジタル時代に適応した広報は、企業の競争力を左右する重要な戦略領域となっています。

PRとは何か

PRの定義と目的

PR(Public Relations)とは、企業や団体がステークホルダー(顧客、株主、取引先、従業員、行政、地域社会など)との間に相互理解と良好な関係を構築する活動を指します。単なる広報の延長ではなく、組織全体のレピュテーション(評判)を形成・維持する戦略領域として位置付けられています。
PRの目的は、ブランド価値の向上や信頼醸成だけでなく、長期的な事業成長やリスクマネジメントにも直結します。特にBtoBの場面では、製品やサービスの優位性を「広告」ではなく「信頼できる情報」として伝える手段としてPRが重視されます。

広報とPRの共通点と違い

広報とPRはしばしば同義で使われますが、厳密には役割のスコープが異なります。

共通点違い
広報・情報発信によって認知や理解を広げる
・ステークホルダーとの信頼関係を築く
主にメディア対応や自社情報の発信が中心(アウトプット重視)
PR・情報発信によって認知や理解を広げる
・ステークホルダーとの信頼関係を築く
社会全体の文脈において、組織の評判やブランド価値を戦略的に設計する活動(レピュテーション重視)

つまり、広報が「伝える」役割であるのに対し、PRは「社会にどう受け止められるか」を管理する上位概念といえます。

PRの主な手法とイメージ戦略

PRの実務領域は広範囲にわたり、以下のような手法が組み合わされます。
メディアリレーションズ:報道機関や業界誌を通じて情報を拡散し、客観性を伴った認知を獲得
コーポレートコミュニケーション:企業理念やCSR活動を発信し、社会的責任を果たす姿勢を示す
インフルエンサーPR:業界内で影響力を持つ人物を活用し、製品やサービスの信頼性を補強
デジタルPR:SNS・オウンドメディア・SEOを組み合わせ、オンライン上でのブランドイメージを構築
リスク・クライシスコミュニケーション:不祥事やトラブル発生時に、透明性と誠実さをもって迅速に対応する

特にBtoBにおいては、「専門性の高い情報発信」と「業界関係者とのネットワーキング」がPRの中心的手法となります。競合との差別化や信頼獲得に直結するため、単なる露出ではなく、戦略的に“どのように見られるか”を設計することが不可欠です。

広報とPRの役割の違い

情報発信とリスク管理

広報の役割は、企業の活動や価値をわかりやすく社会に伝えることです。たとえば新製品の発表やCSR活動の紹介など、正確な情報をタイムリーに届けるのが中心です。
一方でPRは、発信した情報が「どう受け止められるか」にも目を向けます。肯定的に受け取られればブランド価値が高まりますが、誤解が広がればリスクとなるため、広報が“伝える”、PRが“受け止め方を管理する”とイメージするとわかりやすいでしょう。

メディアとの関係構築

広報の大きな仕事に「メディアリレーション」があります。プレスリリースを送ったり、取材対応をしたりして、記者や編集者と信頼関係を築きます。
PRはこれをさらに広げ、メディアだけでなく、顧客・投資家・行政・地域社会など幅広い相手との関係づくりを意識します。つまり、広報は“窓口”、PRは“全体の関係性を設計する”役割と言えるのです。

ブランド価値を守る危機管理

不祥事やトラブルが起きたとき、広報は迅速に正しい情報を伝えることで混乱を抑える役割を果たします。PRはそこから一歩進んで、「長期的にブランドをどう立て直すか」を考えます。短期的な説明対応にとどまらず、社会的信頼を回復するストーリーを設計するのがPRの強みです。

広報とPRの連携による効果

実際の業務では、広報とPRは切り離して考えるものではなく、補い合う存在です。広報が日々の情報発信を通じて土台をつくり、PRがその成果を社会的評価や企業価値につなげていく。両者が連動することで、発信の一つひとつが「点」ではなく「線」となり、より大きな成果を生み出します。

広報・PRの仕事内容

広報担当者の具体的な業務

広報担当者の仕事は、社内外の情報を整理し、適切な形で社会に伝えることです。日常的には社内の情報収集や、取材依頼への対応、企業ブログやサイトの更新など、幅広いタスクがあります。いわば「企業の声を代弁する役割」であり、会社の動きを社会に伝える“翻訳者”として機能します。

プレスリリースとメディア対応

広報業務の代表例がプレスリリースの作成と配信です。新商品やサービスの発表、イベント開催の案内などを、新聞・雑誌・オンラインメディアに届けます。その後の取材対応や問い合わせ対応も重要な仕事です。ここでの対応が信頼関係に直結するため、正確さとスピード感が求められます。

イベントやキャンペーン企画

広報やPRは単に「情報を伝える」だけでなく、体験を通じてブランド価値を伝える仕事でもあります。
新製品発表会や記者発表イベント、キャンペーン企画などを通して、メディアや顧客に直接アプローチし、ブランドの魅力を体感してもらうのです。

SNS・デジタル広報の活用

デジタル時代においては、SNS運用やオウンドメディア運営も広報・PRの重要な領域です。
・X(旧Twitter)での速報性ある発信
・Instagramでのビジュアルを重視したブランディング
・自社サイトでのSEOを意識した記事発信

こうした施策は、従来のメディアリレーションとは違い、企業が自らダイレクトに情報を発信できる手段として注目されています。

調査・分析による戦略立案

効果的な広報・PRには、数字に基づく振り返りと改善が欠かせません。掲載記事の反響、SNSでのエンゲージメント、問い合わせ数などを分析し、次の施策につなげます。データを根拠に戦略を立てることで、「なんとなくやっている広報」から「成果につながる広報」へと進化させることができます。

広報とPRの仕事は多岐にわたりますが、共通しているのは「企業と社会をつなぐ役割を担う」という点です。日々の情報発信からブランド戦略の設計まで、幅広い業務を通して企業の価値を高めていくのが広報・PR担当者の使命といえるでしょう。

まとめ|広報とPRを正しく理解して企業の発信力を高めよう

広報とPRは似ているようでいて、その役割や範囲には明確な違いがあります。広報は「情報を正しく伝える」ことに重点を置き、PRは「社会にどう受け止められるか」までを視野に入れた活動です。両者を組み合わせて取り組むことで、企業の信頼性やブランド価値を高め、長期的な成長につなげることができます。

特にデジタル時代の今、SNSやオウンドメディアの活用、データ分析に基づく戦略設計は欠かせません。「なんとなく発信する」から「成果につながる広報・PR」へと転換することが、企業にとって大きな競争力になります。
自社の発信力を強化し、より効果的な広報・PRを実現したいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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