1. HOME >> 
  2. COLUMN >> 
  3. 1753

【広報担当者向け】スチール撮影とは?企業広報での役割と始め方を解説

「広報写真はスマホで撮れば十分なのでは?」そんな風に思っていた企業が、いま次々と“スチール撮影の力”に注目しはじめています。SNS、採用ページ、メディア向け素材、会社案内。企業の広報活動におけるあらゆる接点で、“写真のクオリティ=企業の印象”を左右する時代です。本記事では、スチール撮影とは何か?という基本から、動画との違いや使い分け方、広報での活用シーンと効果的な準備までを企業広報の実務に即した視点でわかりやすく解説します。
「伝わる広報ができていない」と感じている広報担当者の方に、“写真のチカラ”を広報資産に変えるヒントをお届けします。

スチール撮影とは?広報活動における基本と活用ポイント

広報の現場で「スチール撮影」という言葉を耳にすることは増えましたが、そもそも何を指すのでしょうか?スチール撮影とは、動画のように動く映像ではなく、静止した瞬間を切り取る“静止画(スチール)”に特化した撮影方法です。広告・出版・報道などで昔から使われていた用語で、現在では企業の広報・PR活動にも広く活用されています。この章では、「スチール撮影とは何か?」「動画との違いと使い分け方」「広報で活用するメリットと注意点」について、わかりやすく整理していきます。

スチール撮影の意味とは?広報で使われる理由と変遷

スチール撮影とは、動画ではなく“1枚の写真”として目的に応じた構図・照明・被写体を丁寧に設計する撮影手法です。広報領域においては主に“企業の顔”を伝える用途で使われます。


・コーポレートサイトや採用サイトで使う代表のポートレート
・採用サイトに掲載する社員インタビューカット
・SNS投稿用の現場スナップや商品写真

かつてはフィルムカメラによる撮影が主流でしたが、現在はデジタル化・SNS発信の浸透により、更新頻度・即時性・多用途対応が求められるようになり、企業の広報活動においてもスチール撮影の重要度が増しています。「雰囲気が伝わる」「人となりが見える」といった効果があるため、“言葉では伝えきれない空気感”を可視化できるのが、スチール撮影最大の強みです。

引用元:エクシオグループ新卒採用サイト

スチールと動画の違い|目的別の使い分け方

「写真で十分?それとも動画が必要?」広報活動においてよくある悩みです。スチール(静止画)と動画は、どちらも視覚情報を届ける手段ですが、それぞれ得意とする役割や効果が異なります。ここでは、広報視点での違いと使い分けのポイントを整理してみましょう。

【📸 スチール撮影の特長】
・一瞬の表情や空気感を切り取るのが得意
・SNSや採用サイト、パンフレットなど静的な媒体に向いている
・被写体が1枚で語れる内容(社員・商品・オフィスなど)に最適
・テキストやレイアウトと組み合わせやすく、多用途で展開可能

【🎥 動画の特長】
・動き・表情・音声を通してストーリーを伝えるのが得意
・ブランドムービーや会社紹介、イベントレポートに向いている
・情報量が多く、感情に訴えやすいが、尺や構成が重要になる
・一度作れば印象的だが、制作コストと時間はかかる傾向

【💡目的別の使い分けポイント】

目的手法理由
SNSの継続的な情報発信スチール中心投稿頻度・手軽さ・共感性のバランスが良い
採用サイトで人物紹介スチール+動画写真で雰囲気、動画で深い理解を伝える
ブランドの世界観を伝えたい動画ストーリー性・演出力が活かせる
プレス配信・広報素材提供スチールメディアが使いやすい形式で提供できる

✅ まとめ:広報に必要なのは「どちらか」ではなく「適材適所」
スチールと動画は競合するものではなく、補完し合うパートナーです。広報活動においては、「何を伝えたいのか」「どんな人に届けたいのか」「どんな場面で使うのか」を明確にしたうえで、写真と動画を最適に組み合わせることが効果的です。

スチール撮影のメリット・デメリットを広報目線で整理

スチール撮影(写真撮影)は、企業広報のあらゆる場面で活用できる強力な手段ですが、「万能ではない」ことも踏まえて活用する視点が重要です。ここでは、広報活動におけるスチール撮影の代表的なメリットとデメリットを整理し、最適な判断ができるようにポイントをまとめます。

【メリット|スチール撮影が広報で重宝される理由】
1. 一瞬で「印象」を伝えられる
写真は言葉よりも早く感覚に訴えます。SNSや採用ページでのファーストビューに使えば、企業の雰囲気や信頼感を視覚的に届けることが可能です。

2. 汎用性が高く、複数の媒体で使い回せる

一度撮影した写真は、SNS投稿、プレスリリース、採用資料、会社案内など、さまざまな用途に展開できる“広報資産”になります。

3. 撮影コスト・制作時間が比較的抑えやすい

動画に比べて機材・編集・人員面のハードルが低いため、スモールスタートが可能です。社内撮影でも一定のクオリティが出せるのも利点。

4. 長く使える“ストック素材”になる

代表者や社員のポートレート、オフィス・商品写真は、頻繁に更新しなくても使い続けられる素材になります。


【デメリット|活用する前に知っておきたい注意点】
1. “情報量”は動画より少なく、補完が必要な場合も
写真は「空気感」や「表情」は伝えられても、ストーリーやプロセスは語りづらいため、テキストや動画とセットで使う設計が有効です。

2. 撮り方次第で“企業イメージ”に影響が出る

構図・照明・表情などが不自然だと、逆に「信頼感がない」「古い印象」と受け取られてしまうことも。写真のクオリティ=企業の印象に直結します。

3. 社員の肖像や社内環境など、公開に慎重さが求められる

人物写真を使う場合は、事前の同意(肖像権)や使用範囲の管理が必須。内部情報の写り込みにも注意が必要です。

スチール撮影は、「撮って終わり」の素材ではなく、戦略的に撮影し、複数の媒体で活かしていくことで最大の効果を発揮します。メリットとデメリットを正しく理解したうえで、目的に合った撮影設計・活用計画を立てることが、広報の成果を左右します。

広報で使えるスチール撮影の種類と使い方

スチール撮影の効果や活用価値が見えてきたら、次に押さえておきたいのが「何を撮るのか、どこでどう使うのか」という設計です。企業広報の現場では、社員・商品・オフィス・イベントなど、さまざまな被写体と目的に応じた写真が必要とされます。
この章では、広報活動で活用されやすい代表的なスチール撮影の種類と、それぞれの効果的な使い方・見せ方のポイントを具体的にご紹介します。「自社では何を撮るべきか?」を考える参考として、ぜひチェックしてみてください。

人物写真(代表・社員)の広報的な撮り方と使い道

企業の広報活動において、人物写真はもっとも使用頻度が高く、企業の印象を左右する“顔”となる存在です。代表や社員を写した1枚の写真から、「信頼できそう」「雰囲気が合いそう」といった無意識の印象形成が始まります。

【📸 よく使われる人物写真のシーン】
代表・経営層のポートレート(プレスリリース、会社案内、採用ページ)
社員のインタビューカット(採用サイト、オウンドメディア、note記事など)
集合写真やイベント参加のスナップ(SNS投稿、社内報、IR資料など)
職場での自然な業務風景(「働く姿」を見せたい採用広報に有効)

引用元:エクシオグループ新卒採用サイト

人物写真はただの記録ではなく、「この会社はどんな雰囲気か」「どんな人が働いているのか」といった、“言葉にしづらい空気感”を伝える強力な手段です。特に採用広報においては、笑顔の有無視線の向き(カメラ目線か横顔か)背景に写るオフィスや小物といった要素が、応募者の「共感」や「応募意欲」に直結することも珍しくありません。

【広報向け人物写真の撮り方のポイント】

項目内容
照明柔らかく自然光が入る場所が理想。影が強すぎないよう注意。
表情笑顔+真顔の2パターンを用意すると媒体ごとに使いやすい。
背景社内の実際の空間 or 白背景。使い分けで印象操作が可能。
服装TPOに合わせた雰囲気で。統一感を意識する。
カット構成正面/ななめ構図/業務中の横顔など、複数パターンを撮影しておくと◎

✅ まとめ:人物写真は“会社の印象”をつくる資産

代表や社員の写真は、企業そのものの“人となり”を伝える大切な要素です。プロらしさだけでなく、自然体の表情や空気感が「この会社、いいな」と思わせるきっかけになります。
「誰を、どんな表情で、どんな場所で撮るか」それを意識して撮影するだけで、企業の魅力がぐっと伝わるようになります。

商品撮影|「売れる見せ方」に効くスチールの基本

商品やサービスの魅力を伝えるうえで、写真の見せ方ひとつで“売れるかどうか”が変わると言っても過言ではありません。特にデジタル上での広報活動では、商品の写真が“第一印象”そのものとなり、購買・問い合わせ・SNSでの反応に直結します。

【📸 商品撮影のよくある用途】
SNS投稿(新商品紹介/季節限定アイテムなど)
サービスサイトやECページのメインビジュアル
メディア用の掲載素材(PRTIMESや記事タイアップ等)
カタログ・パンフレット・営業資料の写真素材

引用元:日山グループ公式Instagram
▶︎ 事例紹介はこちら

たとえBtoB企業でも、製品や製造風景、使用シーンを丁寧に見せることで、「信頼できる会社だ」と印象づける効果があります。

【商品スチールの“見せ方設計”3つの視点】

1. 「清潔感・正確さ」が伝わる基本カット

背景は白やグレーなど無地で、正面からシンプルに。
カタログ・LP・メディア掲載など、あらゆる用途に使える“型”を押さえるのがポイント。

2. 使用シーンを想起させる「演出カット」

料理なら盛り付け・お皿・照明も含めた構成、雑貨なら生活感のあるテーブル配置など、“使っている自分”を想像させる工夫が効果的。

3. ブランドらしさを表現する「世界観カット」

背景・素材・構図・ライティングを含めて、ブランドトーンを統一。Instagramや広告、表紙などで主役になる1枚に。

引用元:Wacoal China/Salute公式サイト
▶︎ 事例紹介はこちら

【💡 撮影準備で差がつくポイント】

準備項目解説
撮影目的の明確化SNS用、媒体掲載用で構図やトンマナは変わる
使用媒体の想定横長・縦長・正方形など、トリミング前提の撮影構図を設計
撮影前の清掃・整備ホコリや指紋、パッケージのしわなどは写ってからでは遅い
サイズ比較の工夫他アイテムや手・人との対比で実寸の感覚を伝えることができる

✅ まとめ:商品は“撮り方”で売れ方が変わる
スチール撮影で商品を魅力的に見せるには、単なる記録写真ではなく、「どう見せれば伝わるか」を考えることが重要です。媒体・目的・ブランドの方向性をふまえた「見せ方設計」ができていれば、商品自体の印象や企業の信頼感までも高めることができます。

オフィス・建物・空間の撮影がブランドに効く理由

企業のブランディングにおいて、オフィスや店舗、施設の写真は“言葉よりも雄弁なビジュアル資産”です。外観・内観・作業風景などの空間写真をうまく活用すれば、信頼感やブランドらしさを視覚的に伝えることができます。

【🏢 なぜ空間の写真が企業の印象を左右するのか?】

オフィスのエントランス、会議室の様子、社員が働く空間。これらは単なる背景ではなく、「どんな場所で、どんな人が、どんなカルチャーの中で働いているのか」を映し出す、企業文化の“見える化”そのものです。たとえば、
・清潔感のある執務室 → 信頼感・誠実さ
・コミュニケーションの多そうな空間 → 働きやすさ・風通しの良さ
・開放的な打ち合わせスペース → 柔軟性・フラットな組織
このように、1枚の写真からブランドイメージを形成する力があるのが空間スチールです。

【📸 よく使われる空間撮影の場面】
・採用サイト・パンフレットの「働く環境紹介」
・会社案内やIR資料の設備紹介ページ
・メディア取材時の素材提供用写真
・SNSやnoteでの社内風景・文化発信
特に採用広報やBtoB企業の信頼構築において、空間の写真は「誠実な会社であるか」「実体のある企業か」といった無意識の判断材料になります。

引用元:エクシオグループ新卒採用サイト

【💡空間スチールの撮り方のコツ】

撮影ポイント解説
明るさ重視自然光を活かした撮影が基本。照明が均一になる時間帯を狙う
生活感とのバランス整理されすぎた“演出感”より、日常のリアルさ+清潔感がベター
構図の工夫広角すぎると歪みが出るため、水平・垂直を意識した構図で撮る
使用シーン別の素材確保横・縦・人物あり/なしなど、汎用性を高める複数パターンを撮影しておく

✅まとめ:空間スチールは「企業の空気」を伝えるブランディング素材

どんな企業かを伝えるには、“どんな場所で、どんな風に働いているか”を見せることが効果的です。空間のスチール撮影は、企業ブランディング・採用・営業・IRなど多用途で活かせる素材として、戦略的に整えておく価値があります。

イベント・プロジェクトの記録写真が広報資産になるワケ

社内イベントや新プロジェクトの立ち上げ、表彰式や周年記念。こうした“動き”のある出来事を写真でしっかり記録しておくことは、企業広報にとって大きな価値があります。それは単なる記念撮影ではなく、「企業のストーリー」を可視化し、社内外への信頼や共感を生む強力な広報コンテンツになるからです。

【📸 なぜイベント写真が広報に効くのか?】
リアルな企業活動を見せることで信頼感が増す
「働いている人の表情」から企業の文化・雰囲気が伝わる
社内外問わず、共感・応援される発信がしやすい
撮っておけば後からさまざまな用途に活用できる

イベントは“その場限り”のものですが、写真という形で残せばSNS・採用・会社案内・社史など、何度でも使える資産になります。

【活用できる広報シーンの例】
SNSやnoteでの発信(社内の雰囲気を伝える)
採用ページで「企業文化」の具体例として掲載
社外向けの広報素材(IR資料/取材時のビジュアル提供)
周年誌・パンフレットなど、会社の歴史を見せる媒体にも使える

特に若年層やZ世代への採用広報では、「リアルで楽しそう」「人間味がある会社」に共感して応募する傾向が強いため、イベントの写真は重要な判断材料になります。

▶︎ 事例紹介はこちら

【📸 撮り方のコツと注意点】

撮影の工夫内容
「人の表情」にフォーカスポーズより“自然な笑顔・やり取り”が伝わる写真がより共感を生む
複数カットを意識引き・寄り・雰囲気・記念写真など、構成にバリエーションを持たせる
被写体の同意を得る社内イベントであっても事前に撮影・使用の同意を得ておく
活動内容を補足する写真単体では伝わりにくい場合、キャプションや記事とセットで運用するのが効果的

✅ まとめ:イベント写真は“社風”を伝えるリアルな広報素材

企業の中でどんな人が、どんな風に働いているか。それを飾らない一枚の写真で見せられるのが、イベント・プロジェクト記録のスチール撮影です。一度きりの出来事を“使える広報素材”として残すためにも、撮るべき瞬間は、意識して撮っておくことが企業価値を育てる一歩になります。

スチール撮影は内製すべき?外注すべき?広報担当の判断ポイント

スチール撮影の必要性や活用シーンが明確になってくると、次に悩むのが「社内で撮るべきか、外部のプロに依頼すべきか?」という点です。近年ではスマートフォンのカメラ性能も上がり、広報写真を自社で撮影している企業も少なくありません。一方で、企業ブランディングや採用広報の質を高めるには、プロならではの技術や視点が不可欠になる場面も存在します。
この章では、スチール撮影を内製するケースと外注すべきケースを整理し、広報担当者として判断すべきポイントや注意点を具体的に解説していきます。

社内でスチール撮影する際の注意点と必要な機材

スチール撮影を内製で行えば、コストを抑えつつスピーディに素材を準備できるという大きなメリットがあります。SNSや採用広報、社内報など、「タイミングが命」の広報業務では、自分たちで撮れる体制があると非常に便利です。ただし、「撮ること」と「伝わる写真を撮ること」には明確な差があり、内製する際は一定のポイントと機材を押さえる必要があります。

【📸 社内スチール撮影のメリット
・外注コスト不要で、気軽に繰り返し撮影できる
・急なイベント・社内行事にも柔軟に対応できる
・社員の自然な表情を引き出しやすい
・撮影内容を細かく調整できる(コンテンツの自由度が高い)


【⚠️ 注意点:内製でありがちな失敗】

課題例内容
写真が暗い/ブレている撮影環境(照明・手ブレ)への配慮不足が原因
背景がごちゃごちゃして見づらい構図や被写体の整理が不十分
画質・サイズが足りず、使用媒体で劣化する解像度の設定ミスや圧縮による劣化
写真の雰囲気が毎回バラバラトーンや構図にルールがなく統一感が出ない

広報写真は“企業の印象を左右する第一印象”であることを忘れずに、一定のクオリティ基準を設けることが大切です。

【最低限そろえておきたい撮影機材・環境】

・カメラ(ミラーレス or スマホ)
→最近のスマホ(iPhone/Pixel)でもOK。背景ボケ・光の調整がしやすいとベター

・ライティング(自然光 or LEDライト)
→撮影場所に自然光が入らない場合、定常光ライトで補うと明るさが安定

・背景(白布 or 壁)
→商品・人物とも背景が整理されているとプロっぽく見える

・三脚 or スマホスタンド
→ブレ防止と構図固定のために必須。低価格でも効果大

・撮影テンプレート・構図ルール
→撮影ごとにトーンやアングルが変わらないよう、簡単な指針を用意しておく

✅ まとめ:内製でも“伝わる写真”に仕上げるには、準備と工夫がカギ
社内でスチール撮影をする際は、撮影技術よりも「見せ方のルール化」と「最低限の機材環境」が成功のポイントです。「誰が・何を・どのように撮るか」を共有できれば、撮影の属人化も防ぎ、継続的に“伝わる写真”を蓄積することが可能になります。

プロカメラマンに依頼すべき3つのケース

スチール撮影は社内で対応できることも多い一方で、すべてを内製で賄うのは難しい場面もあります。
特に、企業の“顔”や“信頼性”を左右する場面では、やはりプロの手を借りた方が効果的です。
ここでは、広報担当者が「これはプロに依頼すべきだ」と判断すべき3つの代表的なケースをご紹介します。

📌 ケース①:企業の印象を左右する“顔”となる素材を撮影する場合

・コーポレートサイトのトップページに使う写真
・プレスリリースに掲載する代表者ポートレート
・採用サイトで最も目立つ社員インタビューカット

これらは、最初に見られる・繰り返し使われる重要なビジュアル要素です。光の当て方、構図、表情の引き出し方など、プロの技術があってこそ“信頼される写真”に仕上がります。特に、メディア掲載や取材対応用の素材として使う場合は、画質・印象・汎用性の面でもプロ品質が求められます。


📌 ケース②:演出・構成を含む“ブランド表現”が必要な場合

・サービスや商品を「世界観ごと見せたい」
・採用ブランディングでカルチャーを印象づけたい
・展示会用の大型ビジュアルや広告に使用する

このような場合は、照明・ロケーション・構成演出・色調補正など、総合的な撮影設計が必要です。
社内で対応しようとすると手間やクオリティに限界が出やすく、経験豊富なプロカメラマンとの連携で成果が大きく変わります。


📌 ケース③:撮影そのものを“安心して任せたい”とき

・重要イベントの記録(式典、周年、表彰など)
・大人数・複数拠点での撮影(現場を分けて一斉対応したい)
・時間がなく、短時間で高品質な写真を押さえたい

このようなとき、プロに依頼すれば撮り漏れリスク・段取りミス・クオリティ不安を大幅に軽減できます。撮影そのものを任せることで、広報担当者は「素材の活用」や「発信内容の設計」に集中できます。

✅ まとめ:大事なのは“目的”で線を引くこと
社内で撮れるものは内製、“絶対に失敗できない・印象を左右する場面”はプロに任せる。この判断軸を持っておくことで、撮影コストを最適化しつつ、企業としての広報品質を安定させることが可能になります。

撮影は“撮って終わり”ではない。広報で“資産化”する視点

スチール撮影は「撮ること」自体が目的ではありません。むしろ本当に重要なのは、撮った写真をどう活かすか、どう“使いまわして資産化するか”という運用設計です。多くの企業では、せっかく時間とコストをかけて撮影したにもかかわらず、
撮った写真が社内のどこかに埋もれて活用されない
担当者しか写真の在りかや権利を把握していない
「また撮るの?」と何度も同じ素材を撮り直してしまう

といった“撮りっぱなし・使い捨て”の状態になっているケースが少なくありません。

【撮影素材を“広報資産”に変えるための視点】

観点意識するポイント
保管社内共有のフォルダやクラウドに「分類+タグ」で整理しておく(例:人物/商品/オフィスなど)
使用ルール解像度・肖像権・用途OK/NGを明記した「利用ガイドライン」をつけておく
二次利用設計SNS・採用ページ・note・プレスリリース…複数チャネルへの活用を前提に撮影構成を組む
定期見直し半年〜1年ごとに使用中の写真を見直し、“差し替えタイミング”を設ける

こうした「使える状態」「使いたくなる状態」を作ることで、1回の撮影が“何度も成果を生む広報資産”に変わります。

✅ まとめ:広報写真は「使ってこそ価値が生まれる」
スチール撮影は“その場の見栄え”だけでなく、長期的に広報活動を支える情報資産になります。撮影した写真を使い捨てにせず、計画的に蓄積・管理・再活用することが、成果につながる広報の鍵です。

▪︎まとめ:目的とリスクで“内製 or 外注”を判断するのが賢い選択

スチール撮影は、すべてをプロに頼む必要も、すべてを自分たちで抱え込む必要もありません。
重要なのは、「何のために撮るのか」「誰にどう見せたいのか」という広報の目的に応じて、最適な体制を選ぶことです。

・日常の記録やSNS用の素材は、社内でスピーディに撮る体制を整える
・企業の顔となる写真や、信頼性が問われるビジュアルは、プロに依頼して確実なクオリティを担保する
・撮影素材を“使って終わり”にせず、再利用・蓄積できる運用体制を整える

こうした視点で内製と外注をうまく使い分けることで、広報活動のスピードと質、どちらも犠牲にしないスチール活用が実現できます。

スチール撮影を始める前に整えるべき広報視点の準備リスト

「社内で撮る or プロに依頼する」の判断がついたら、次に重要なのは“撮影を始める前の準備”です。なんとなく撮り始めてしまうと、撮ったはいいけどどこで使うか不明写真の印象がバラバラで統一感がないという状態に陥りがちです。スチール撮影を広報活動に活かすには、「誰に・何を・どう届けるか」を見据えた準備と設計が欠かせません。
この章では、広報担当者が撮影前に整えておくべき5つの実務的ポイントを具体的に解説します。“撮って終わり”にしないための第一歩として、ぜひチェックしてください。

①採用ターゲットと企業イメージの言語化

スチール撮影を成功させるために、最初に必ず行うべきなのが、「誰に届けるのか」と「何を伝えたいのか」を明確にすることです。写真は、構図・光・表情・背景…すべてが無意識の印象に直結する“視覚言語”です。そのため、設計の段階で「企業としてどう見られたいか」が曖昧だと、撮った写真も伝えたいこともブレてしまうのです。

【なぜ“言語化”が必要なのか?】
撮影に入る前に「どんな人に、どのような印象を与えたいのか」を明確に言語化しておくことは、写真のクオリティと広報としての説得力を左右する極めて重要なステップです。たとえば、同じ「社員紹介写真」でも、フレンドリーで親しみやすい印象を与えたいのか、誠実で落ち着いた印象を重視したいのか、によって、構図・表情・ポーズ・ライティングの設計は大きく変わってきます。
また、採用ターゲットが20代前半の学生と、30代の転職希望者では、響くビジュアルのトーンや見せたい現場シーンも異なるでしょう。
さらに、企業の事業フェーズ(立ち上げ期/拡大期/安定成長期)や競合との差別化ポイントを踏まえなければ、“よくある企業写真”に埋もれてしまうリスクもあります。
だからこそ、「誰に、どんな印象を持ってほしいのか」=撮影の方向性を言葉で可視化しておくことが、プロの撮影であっても社内での内製であっても、ブレずに“伝わるビジュアル”を実現するための土台となるのです。

【言語化のためのチェックリスト】

項目
採用ターゲット20代前半/学生/未経験歓迎/社風重視
企業イメージ柔らかく温かい/誠実/スタイリッシュで洗練
伝えたい魅力人の雰囲気/働く空気感/チャレンジできる環境
避けたい印象固そう/古そう/距離感がある

このように、スチール撮影のクオリティを決めるのは、カメラの性能や技術だけではありません。“誰にどう見られたいか”を明文化しておくことで、写真・動画・原稿などあらゆる表現が一貫し、企業らしさが伝わる広報につながります。また、社内で共有しておくことが、すべての発信の軸になります。
撮影を始める前に、必ずこのステップを通っておきましょう。

②担当のリソース確保と“やり切れる運用設計”

スチール撮影を継続的に活用していくためには、「誰がやるか」「どこまでやるか」を明確にし、無理のない運用設計を組むことが不可欠です。どれだけ良い企画や撮影内容を立てても、担当者の業務が飽和していれば、「忙しくて撮れない」「素材を整理する時間がない」「気づけば1年以上前の写真を使い続けている」といった“止まる広報”に陥ってしまいます。

【🛠 リソース設計のポイントと運用の工夫】

①担当の“業務比率”を現実的に見積もる
スチール撮影・素材管理・発信準備まで含めると、想像以上に時間と工数がかかる業務です。週1回/月2回などの撮影頻度をあらかじめ決めておくことで、継続しやすくなります。

②チームで分担できる“撮影体制”を作る
・撮影担当・素材管理/選定担当・原稿/投稿担当など役割を分けておけば、特定の担当者の負担と属人化を防げます。

③撮影と発信の“型”をあらかじめ用意しておく
・「この場所で、この角度から、こんな表情を撮る」「撮った写真は○○フォルダに、○○命名で保存する」といったテンプレート化・ルール化によって、誰でも再現可能な運用が実現します。

✅ まとめ:スチール撮影は“仕組み化”してこそ、継続できる
継続的に成果を出す広報は、アイデアよりも「回せる仕組み」に力を入れています。担当者1人の熱意だけに頼るのではなく、チームや社内体制を巻き込みながら“やり切れる運用”を整えることが、企業にとっての情報発信力を高める鍵となります。

③撮影の目的と発信媒体を整理する

スチール撮影の準備でまず必要なのは、「なぜ撮るのか(目的)」と「どこで使うのか(発信媒体)」を明確に整理しておくことです。この2つがあいまいなまま撮影を進めると、使いたい媒体のサイズに合わない、トンマナがずれて再撮影になる見せたいポイントが伝わらないなど、“撮ったのに使えない”という残念な結果につながりやすくなります。目的によって、「誰を撮るか」「どこで撮るか」「どんな雰囲気で撮るか」が変わるため、撮影の初期段階で必ず整理しておきましょう。

【📌 撮影目的の整理=「何のために撮るのか?」】

目的の例意図する効果
採用応募を増やしたい社員の魅力や社風が伝わる写真が必要
サービスの認知度を上げたい使用シーンやブランド感のあるビジュアルが有効
会社の信頼性を伝えたい清潔感・組織力が伝わる空間や代表者の写真が鍵

【発信媒体の整理=「どこで使うのか?」】

媒体求められる特性
求められる特性
SNS(Instagram/Xなど)
スマホ表示を意識した構図・色味が重要
採用ページ・パンフレット人物中心+テキストと組み合わせやすい構成
プレスリリース正面・上半身・背景スッキリ=媒体に使いやすい写真
社内報・IR資料活動の様子やイベント風景を丁寧に記録した素材

発信先によって、求められる画像サイズ・構図・トーンも異なります。事前に使用予定の媒体をリストアップし、必要なカットを逆算して準備しておくことが効率的です。

④被写体の許諾・肖像権トラブルを防ぐルール整備

社内やイベントで人物を撮影する際に意外と見落とされがちなのが、肖像権やプライバシーに関する社内ルールの整備です。「広報用に撮った写真が勝手に使われていた」「本人が嫌がって削除対応に追われた」…こうしたトラブルは、小さなきっかけで企業の信頼性を損なう大きなリスクになります。

【 ⚠️ なぜ肖像権トラブルが起きるのか?】

・撮影時に「広報に使う」と伝えずに撮影してしまう
・利用範囲(SNS/採用/社外資料など)を事前に確認していない
・異動や退職後にも写真が使われ続けている
・撮影NGだった人物が写り込んでしまう

このようなケースは、悪気がなくても、企業としてのリスク管理が問われる問題に発展する可能性があります。

【トラブルを防ぐための3つの基本対応】

① 撮影前の同意取得(書面 or 口頭)
「この撮影は広報用です。SNSや採用ページ等で使用される可能性があります」と明示し、本人の同意を確認することが前提です。できれば書面やチェックフォームで残しておくのがベスト。

② 利用範囲の明記
社内利用のみか、社外発信も含むのかSNS・Web・印刷物などどの媒体に使用するのかを事前に説明しておけば、後からの認識ズレを防げます。

③ 撮影・使用ガイドラインを社内で共有
誰が写っている写真を、どこで使ってよいのかを明確にする簡易ルールやナレッジを社内共有しておくことで、担当者が変わっても安全性を保てます。

✅ まとめ:撮影は“使う側”だけでなく、“写る側”の安心も設計する

広報のためのスチール撮影は、企業の魅力を伝えるだけでなく、「安心して写ってもらえる関係性」を築くことも重要な要素です。事前の一言、シンプルな同意の仕組みだけで、後々のトラブルや信用リスクを防ぐことができます。

⑤写真の使用ルールと保存管理の仕組みをつくる

スチール撮影は「撮って終わり」ではありません。撮影後の素材管理と使用ルールが整っていないと、せっかくの写真も広報現場で活かしきれず、“使えないストック”になってしまいます。写真の取り扱いを明文化・共有しておくことで、担当者間の引き継ぎがスムーズになり、再利用・転用の効率も格段に向上します。

【よくある“撮ったのに使えない“パターン”】

・画質やサイズの不備で媒体に適さない
・保管場所がバラバラで探し出せない
・使っていい素材かどうか不明で掲載に踏み切れない

こうした事態を防ぐには、「写真の使い方」と「保存の仕方」に関するルールを撮影前から設計しておくことがポイントです。

【🛠 素材の“使える状態”をつくる4つのステップ】

① 保存場所の統一
・Google DriveやDropboxなど、社内共有しやすいクラウドストレージを活用
・撮影ごとにフォルダを分け、日付・撮影内容・使用可否を明記

② 使用ルールの明文化
・どの媒体に使ってよいか(例:SNSのみ、外部掲載OKなど)をメモまたは命名ルールで記載
・撮影対象に応じて「要確認」「掲載NG」などのタグ付けも有効

③ 素材のメタ情報を整理
・写真に以下の情報を添えると活用性が上がる
→撮影日、撮影者名、被写体名、部署名、想定用途・掲載範囲

④ 社内での使い方ガイドを共有
・撮影・使用のフローや保存ルールを、簡単なマニュアル化にし、社内ポータル等で共有することで、新担当者への引き継ぎや、営業・採用担当との素材共有にも活かせる

✅ まとめ:「使える写真」は、管理とルールがセットで成立する

どれだけ良い写真が撮れていても、管理と使用ルールが曖昧だと、“見つからない、使えない”素材になってしまいます。だからこそ、スチール撮影は「保存と活用を前提とした仕組みづくり」までセットで考えることが、実務で成果を出す広報の必須要件です。

⑥SNS・採用・メディア別の広報活用ルートを明確にする

スチール撮影を広報活動に活かすには、「どの媒体で・どんな目的で・どんな写真を使うのか」を事前に明確にしておくことが重要です。媒体ごとに求められる写真のトーンや構図は異なるため、“どこで使うか”を意識せずに撮影すると、後から合わずに使えないという事態にもつながりかねません。ここでは、主な3つの発信媒体別に、スチール写真の使い方・意識すべきポイントを整理します。

◼︎SNS(Instagram/X/Facebookなど)

◎ 主な目的
・雰囲気を伝える
・タイムリーな話題を発信
・親しみ・共感・拡散

◎ 向いている写真の特徴

  • 明るく、自然な笑顔や動きのあるカット
  • 日常の社内風景、イベントスナップ、ちょっとした“オフ”の表情
  • 投稿フォーマット(正方形/横長/ストーリーズ対応)に合った構図

✅ 撮影の工夫

  • 撮影時点で「SNS用にトリミングしやすい構図」を意識
  • テキストやロゴを重ねるスペースを意識して撮ると、汎用性が高まる


◼︎採用媒体(採用ページ/パンフレット/ナビサイト)
◎ 主な目的
・働くイメージを伝える
・応募のきっかけづくり
・共感・納得の獲得

◎ 向いている写真の特徴

  • インタビュー中の表情、業務中の自然な動き、チームでの交流風景
  • オフィス内の清潔感・雰囲気が伝わるカット
  • ポートレートだけでなく、働く様子がわかる「引きの写真」も重宝

✅ 撮影の工夫

  • 採用ターゲットに近い世代の社員にフォーカス
  • 複数カットを揃えて、「写真を使い分ける」構成にする


◼︎メディア・プレス用途(取材記事/PR TIMES/会社案内)

◎ 主な目的
・客観的な信頼性の訴求
・事業内容・代表者のビジュアル紹介
・記事掲載・二次利用しやすい素材提供

◎ 向いている写真の特徴

  • 正面・上半身のポートレート
  • 背景にブランドカラーやロゴがうまく入っているもの
  • 解像度・明るさ・構図が“媒体映え”するプロクオリティ素材

✅ 撮影の工夫

  • 背景を整え、不要物を排除した“使いやすい画角”で撮る
  • 縦横両対応・トリミング可能な“余白あり”構図も押さえる


✅ まとめ:使い道を決めてから撮ることが、素材を資産に変える近道

撮影後に「この写真、どこで使おう?」と悩むのではなく、“どこで使うか”を決めてから撮ることで、素材の汎用性と活用率は格段に上がります。
SNS/採用/メディア、それぞれの目的とトーンをあらかじめ整理しておけば、1回の撮影で多用途に展開できる“使える広報写真”が手に入ります。

▪︎まとめ:撮る前の“設計と準備”が、伝わる広報の質を決める

スチール撮影で「企業らしさを伝える」ためには、撮影テクニック以上に、準備と設計の段階が重要です。どんなターゲットに向けて、どう見せたいのかを言語化し、無理なく続けられる体制と運用ルールを整え、撮ったあとの使い方やリスク管理も含めて、最初に設計しておく。このひと手間があるだけで、撮影の成果は広報全体の質を引き上げ、“伝わる”ビジュアル資産へと変わっていきます。
「撮ること」だけで終わらず、“使い切れる・残せる”広報素材づくりを意識して、準備を進めていきましょう。

スチール撮影から広報まで一貫支援|撮影ティブのサポート内容

ここまでご紹介してきたように、スチール撮影はただ「写真を撮る」だけでなく、誰に・何を・どう伝えるかを設計し、広報全体の戦略に落とし込むことが求められます。とはいえ、

  • 社内でそこまで手が回らない
  • 撮影や素材の見せ方に自信がない
  • 写真の使い道まで提案してくれるプロがほしい

そんなときこそ、撮影ティブのような“広報の視点を持った撮影パートナー”を活用することが、最も効果的な近道です。

【🎥 撮影ティブの強みは、「撮って終わり」じゃないこと】
撮影ティブは、カメラマンではありません。広報の実務に深く関わってきたチームだからこそ、以下のような支援が可能です。

  • 企業イメージやターゲットに合わせた「伝わる構図・表情」のブランドコミュニケーション設計
  • 採用やSNS、会社案内など各媒体に適した画角・バリエーションの撮影
  • 写真だけでなく、広報記事やSNS運用まで見据えた一貫したコンテンツ制作支援
  • 撮影素材の管理・運用を含めた「広報資産づくり」のアドバイス

サービスの詳細はこちら ▶︎

【📌 撮影ティブのサポート事例】

  • 採用サイトの刷新に伴う社員写真・インタビューカットの撮影/ライティング/ディレクション
  • SNSブランディング用のオフィス&人物スチールの撮影&運用設計
  • 周年記念・展示会・商品リリース時の広報素材撮影+配信用素材の支援

▶ 実績の詳細はこちら ▶︎

「写真はあるけど、どう活かせばいいかわからない」
「そもそも、何をどう撮れば伝わるのか不安」
そんなお悩みをお持ちの広報・採用担当者さまへ。
撮影ティブでは、貴社の“らしさ”を写真に落とし込み、使える素材として戦略的に活かすサポートを行っています。お気軽にご相談ください。

ご相談・お見積もりはこちらから ▶︎

CONTACT お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください!