【カメラ初心者向け】ミラーレス一眼カメラのレンズの選び方(開放F値編)

こんにちは撮影ティブの成田です。
前回は人によって写真の写り方がなぜ違うのかレンズの焦点距離にスポットを当ててご説明しました。
今回のブログでは、場面に応じたレンズの種類や選び方について開放F値にスポットを当てて解説していきますので皆さんの参考になれば幸いです。

目次

  1. 開放F値で何が変わる?
  2. F値を基準にして考えるための、3種類のレンズの特徴
  3. 単焦点レンズのメリット・デメリット
  4. ズームレンズ(F値変動)のメリット・デメリット
  5. ズームレンズ(F値固定)のメリット・デメリット
  6. 色んなレンズに出逢いを

開放F値で何が変わる?

まずは前回までのブログで説明してきたF値についておさらいしていきましょう。
レンズの中には、光を取り込む量を調整する絞り羽が内蔵されています。その羽をどれくらい絞るかをコントロールする数値がF値となります。(f2.8/f22.0など)
F値を小さくして撮影することを「絞らない・開放」と言い、F値を大きくし撮影することを「絞る」と言います。それぞれの状態が写真に与える特徴は、下記のとおりです。

① F値が小さい「絞らない・開放」で撮影
絞り羽が絞られていない状態のため、センターに届く光の量が多くなります。開放で撮影すると…
・背景がよくボケる写真を撮影できる
・感度を上げなくても、明るい写真が撮影できる

② F値が大きい「絞る」で撮影
開放とは逆に、絞り羽が絞られた状態のため、センサーに届く光の量が少なくなります。絞って撮影すると…
・背景がボケずに、写真全体にピントが合う
・感度を上げないと、暗い写真になってしまう

F値をコントロールすることで写真にこのような影響を与えるため、撮影したい写真に合わせてF値をコントロールする必要があります。

F値を基準にして考えるための、3種類のレンズの特徴

① 単焦点レンズ
単焦点レンズとは、焦点距離と最小F値が両方とも固定のレンズになります。
焦点距離とは画角に影響する数値であり、大きければ望遠、小さければ広角の写真を撮影できることになります。

② ズームレンズ(F値変動)
ズームレンズ(F値変動)は、焦点距離と最小F値が両方とも変動するレンズになります。

③ ズームレンズ(F値固定)
ズームレンズ(F値変動)は、焦点距離は変動、最小F値が固定のレンズになります。

F値を基準にレンズを選ぶ上には、この3つの種類のレンズを理解する必要があります。それぞれのレンズのメリット・デメリットについて、次の章からまとめてきます。

単焦点レンズのメリット・デメリット

上記の左のレンズは焦点距離は24mm、開放F値はf2.8、右のレンズの焦点距離は50mm、開放F値はf1.8

◯ メリット
・最小F値が小さく、よくボケるレンズが多い
・たくさん光を取り込むことができるため、暗所でもノイズが少なく撮影できる

◯ デメリット
・焦点距離が変えられないため、被写体を大きく撮影したい場合は自分自身が動く必要がある
・1つの焦点距離だと不安の場合、他のレンズも持ち運ぶ必要がある
・F値が小さいほどレンズ口径が広がるので、大きく重たいレンズが多い

ズームレンズの最小F値はf2.8までが主流の中、単焦点レンズではf1.4まで開放できるものもあります。大きくボケた写真を撮りたいという人は、単焦点レンズがオススメ。
ただし画角が変えられないため、構図の作り方が写真の出来を左右します。フィルムカメラ時代は単焦点が主流であり、カメラマンとしての腕をあげるにはまず単焦点からと言われるほど基本のフォーマットになります。
写真をもっと上手くなりたいという方は、この単焦点レンズから始めてみるのもオススメです。

ズームレンズ(F値変動)のメリット・デメリット

上記のレンズは焦点距離は70mm〜300mm、開放F値はf4~5.6

◯メリット
・焦点距離を変えられる為、被写体を大きく撮影したい場合に自分自身が動く必要ない
・1本のレンズで多くの焦点距離をカバーできるので、何本もレンズを持ち運ぶ必要性がない

◯デメリット
・望遠にすればするほど最小F値が大きくなってしまうので、背景がボケづらい
・焦点距離と最小F値が一緒に変動する為、ISO感度とシャッタースピードを毎回調整して露出を決めなければならない
・望遠になるにつれて少ない光しか通さなくなるので、暗所でズームしながら撮影するとノイズが走ってしまう

ズームレンズ(F値変動)は、初めてレンズを選ぶ人が買うレンズキットに含まれているレンズ。
一眼レフの楽しさを初めて味わう人には良いかもしれないが、上達したい方には単焦点レンズやズームレンズ(F値固定)をオススメします。

ズームレンズ(F値固定)のメリット・デメリット

上記の左のレンズは焦点距離は24mm〜70mm、開放F値はf4

◯メリット
・焦点距離を変えても最小F値が一定である為、露出を一定に保ちながら画角を変えることができる
・1本のレンズで多くの焦点距離をカバーできるので、何本もレンズを持ち運ぶ必要性がない
・望遠で撮影する場合でも背景をぼかしながら撮影できる
・暗い場所で望遠にしても、たくさんの光を取り込めるのでノイズが少なく撮影できる

◯デメリット
・一定の最小F値を全ての焦点距離で保つ為に設計が複雑で、値段が高価
・大きなレンズ要素を含む為、大きく重たいレンズが多い

ズームレンズは高品質で使いやすいということから、プロの現場でもよく見るレンズです。
ただし比較的高価なので手を出しづらい。しかし他のレンズでは逃してしまったシャッターチャンスを撮影できるなどといった利点があるので、この利点を十分に活用できる方にオススメです。

色んなレンズに出逢いを

様々なレンズを紹介致しましたが、大切なのは状況によって使い分けること、自分に合ったレンズを見つけることだと考えています。
ボケを作りたい、夜空など暗い場所でも撮影したいといった時に明るいレンズを選択することは間違いではないですが、開放F値が小さければ小さいほど値段は高く、レンズの内部構造が複雑になる為大きくなり、持ち運びが大変になるという面もあるので、コストと使い勝手も考慮しながらレンズを選んでいくのがオススメです。レンズ選びの際には、開放F値を意識しながら自分に合ったレンズを見つけてみてください。

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